TOPページへ


裁判上の離婚

(民法) 第2款 裁判上の離婚(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
《改正》平16法1472 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

 裁判離婚 を起こすことのできる原因は、上記の5つの条件が揃ってはじめて、裁判離婚 を起こすことができるのです。

 調停が不成立に終わったとき、夫婦の一方が家庭裁判所に離婚の訴えを起こします。
 これが、裁判離婚 です。訴えを起こした「原告」と、訴えられた方が「被告」となって、裁判所で争っていくことになります。

 裁判離婚では、判決という法的強制力のある裁判所の決定、あるいは和解により離婚問題に結論が導き出されます。
 必ずしも自分の望んでいる通りの結論を得られるとは限らず妥協をしなくてはならないことも多々ありますが、離婚問題に決着がつきます。

 裁判離婚では、裁判申請手続き関連費用、通信費郵便切手代、弁護士の報酬・弁護士による書類作成費用・相談料等の費用がかかります。
 裁判離婚 をするためには、裁判にかかる費用を支払うための資金調達が必要です。
 弁護士費用を節約するために、弁護士に委任せず、十分な法律知識と法的手続きや書類作成力に精通している方を除き、自分で裁判手続き一切を行えば、裁判上、専門的な知識がないことを原因として不利な結果を招くことになるかもしれません。
 ところで、日本司法支援センター(法テラス)には、弁護士報酬などを支払う余裕がないという方に対して、その費用を立て替える制度があります。
 無料の法律相談を受けた結果、弁護士報酬等の援助(代理援助・書類作成援助)の要件を満たす場合には、費用立替制度を利用することができます。
 援助開始決定後、弁護士の選任手続きを行い、法テラスと案件を担当する弁護士と本人の三者間で所定の契約書を締結します。
 これにより、契約書記載の費用や着手金は、法テラスが弁護士に立て替え払いします。
日本司法支援センター(法テラス)による「弁護士費用立替払い制度」もあるので、参考にしてください。

 民法では、訴訟で離婚請求できるのは、離婚を請求する側に上に述べたような民法上の離婚原因がなく、相手にある場合と、離婚請求する側にもほとんど離婚原因がなく、相手にもほとんど離婚原因がないが、夫婦としては破綻し修復の見込みがない場合です。
 
 これに対して、離婚原因を産み出した有責配偶者から、無責の配偶者への離婚請求は厳しい制約があります。
 離婚訴訟を起こすには民法が定めている「法定離婚原因」が必要となります。原則として、有責配偶者(不法行為をした側)からの離婚請求は認められません。
 離婚請求する側が有責で、相手方が無責の場合には、客観的に結婚生活が破綻していることだけでなく、「離婚により無責の配偶者が酷な生活状態に追いやられることがないための手当てをすること」などの制約がかなりきびしく付けられてやっと認められています。
 別居の期間が相当続いている、相手配偶者が離婚により苛酷な状態に置かれている、生活費や財産分与をそれなりに提供しているとか、あるいは相手配偶者も生活能力があるなど経済的な心配がない、未成年の子がないなどの要件をみたせば、離婚を認められる可能性があります。
 最高裁は昭和62年9月2日、それまでの判例を変更し、愛人のいる夫が36年間別居生活をしながらも、妻に対して生活費を負担し続け、離婚に際して財産分与の提供を申し出て、離婚により妻は過酷な状況に追い込まれない、そして未成年の子どもがいないなどの要件があった場合に、有責の者からの離婚請求を認めました。
 その後の判決は別居期間をどんどん短くして、およそ7〜8年間別居期間が続いていれば、その他の要件の充足をも当然検討しますが、ほぼ離婚を認めています。
 裁判で決着が着くまでに1〜2年以上かかることもあるので、経済面その他の事前準備が必要です。
裁判は原則として公開されるので、夫婦の赤裸々な現実を傍聴されてしまう覚悟も必要です。
 裁判所へ訴状を提出すると、裁判所から第1回口答弁論期日が指定されます。同時に、被告にも裁判所から期日の呼出状が訴状の副本とともに郵送されます。
 その後、数回の口頭弁論を経て、判決が下されます。
 判決で離婚が認められれば離婚成立。
 判決に不服があったり、判決で離婚が認められない場合は、地方裁判所や高等裁判所に控訴することになります。
 なお、、裁判官から和解をすすめられることがあります。これを「和解勧告」といいます。
 和解が成立した段階で、和解調書が作成されて離婚が認められますす。
和解も判決と同等の強制力をもちます。